テレワーク民が東京から京都へ移住する話

生まれも育ちも関東な社畜が、リモートワーク導入をきっかけに京都へ移住してみた。

【雑談】引っ越しする全ての人たちへ。ネット環境の確認を怠るな!

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本編の進行からは少し遡ることになるが、埼玉県に引っ越した時に発生したネット環境構築の戦いについて記しておこうと思う。

東京の企業に勤め東京に住んでいた僕は、勤め先のリモートワーク移行により埼玉に移住することにきめた。

 

※詳細はこちらより(第一話)

bubuzuke-mogmog.hatenablog.com

ここで、新居のインターネット環境がまったく整っていない事に引っ越し後に気づくというハプニングが起こったのだ。リモートワーク民にとっては致命的な事件である。

せっかくの新生活が台無しだ。

 

誤解のなきように言っておくと、ネット環境については部屋を契約する時点できちんと業者に確認した。「リモートワークします」と言っているのにネット環境が整っていない部屋に住むわけがない。

原因はシンプルで、物件情報が間違っていたのである。

まさかと思うかもしれないが、ネット技術などにおいては不動産屋さんも素人。これは本当に誰にでも起こりうる罠なので、新居の部屋探しをしている全ての人に読んでほしい。 

とりあえずモバイルwifiを契約

最近は物件にインターネット環境(プロバイダ契約含む)があらかじめ備え付けてあって、引っ越し直後から無料(ないし家賃に内包される形で)インターネットを使える物件も増えてきているが、大概の物件はどうしても入居後に自分でプロバイダー契約などが必要になる。そのため、引っ越し直後から回線が開通するまでは、インターネット環境の空白期間ができてしまう。

時期によっては1月以上待たされることもあり、僕のようなリモートワーク民には死活問題だ。

 

この空白期間を埋めるため、引っ越し直後にまずはモバイルwifiを契約した。

1日10GBまで使えるプランで、実測の回線速度も数十Mbpsを出してくる、4G環境においてはなかなかに優秀なやつだ。

 

しかし、最初は1日10GBもあればなんとかなるだろうと思っていたのだが、いざやってみるとリモートワークを安定してこなすには全然足りなかった。

テレカン(いわゆるリモート会議)をPCでやっていると、議事進行に映像共有などを駆使する会議が多くあるので、どんどん残り通信量が減っていく。(いわゆる「ギガが足りなくなる」状態)

会議の多い日の遅い時間になると通信速度制限がかかってしまい、低速回線で息も絶え絶え「回線が遅くてスイマセンスイマセン」と議事進行を妨げる事態に陥ってしまった。

 

なにより深刻なのが、常に「ギガが足りない」焦燥感に追われ続けることになるので、仕事前後のプライベートな時間に趣味のインターネットをすることもできないのだ。

これでは満足に息もできない。

ということで、仕方なく2台目のモバイルwifiを契約することにした。

 

少々パワープレイではあるが、この試みは成功だった。

1日20GBくらいになってくると多少の余裕が生まれ、仕事後に(画質を落とした状態ではあるが)Youtubeなどを楽しむこともできた。

※ちなみに、ちょうど楽天モバイルが0円キャンペーンをやっていたので、追加料金はかからなかった。楽天ありがとう。

 

ただし、当面の仕事においては「なんとかなった」とはいえ、あくまで応急処置の範囲である。

仕事をしていたらバックエンドで知らぬ間にアプリの大規模更新が走っていて、いつの間にかギガが空っぽになっている事件が発生したり、その後もトラブルが続出した。

5G電波が自宅まで届くようになればまた世界が変わるのかもしれないが、4G状況下におけるリモートワークでは、モバイルwifiだとまだまだ力不足感が否めない。

やはり光回線は必須といえる。

 

とにかく早急にNTTに連絡が必要である。

 

マンションに光回線が入っていない

「え・・・?(絶句)」

NTTの人から電話でそう伝えられた時の、リアルな僕のリアクションがこれである。

 

繰り返しになるが、部屋を契約する前にネット環境については物件情報を熟読したし、不動産屋にメールと口頭でもそれぞれ確認した。

 

それなのに、引っ越しが終わってから

・このマンションには光回線が入っていない

・新しく引くこともできない

という事実を伝えられたのだ。

 

そもそもマンション自体にいわゆる「マンションタイプ」の設備がないので、部屋に光回線が入っていないどころか、一昔前にあった「VDSL方式」での開通すら無理であるとの事だった。

VDSL方式とは、マンション敷地までは光回線で引き込み、マンション敷地内はいわゆる普通の電話線(メタルケーブル)で部屋まで分配する古の方式で、古い「インターネット対応物件」でたまに見かける。最大でも100Mbpsしかでないウンコ。

 

築10年そこそこのマンションなのにネット非対応とは・・・。

他の住民はどうやって息をしているのだろうか?

 

もはや個別契約しかない

マンションタイプの設備がないのであれば、もはや個別契約で専用線を直接部屋まで引き入れるしかない。いわゆる「ファミリータイプ」契約である。

ただし、個別契約には物件オーナーの承認が必須だ。

回線を部屋まで物理的に引き込むためには多少の工事が必要になるので、これについて許可をもらう必要があるためだ。

 

「インターネット対応である」という偽情報を掴まされていた僕は、本当はわめき散らしたいほどの怒りを押し殺しながら、努めて紳士的に不動産屋に連絡した。メールにもネット環境に関する質問と回答の証跡がしっかり残してあるので、完全にこちらの立場が優位である。

「オーナーにダメと言わせるな」を幾枚かのオブラートに包んで不動産屋に伝え、(半ば無理やり)個別契約の許諾を得た。

 

「これでなんとかなる。」

一瞬そんな事を思いもしたが、ところがどっこい「なんとかならなかった」から本記事グを書くタイピングが止まらないのである。

 

個別契約すらできない

「あー・・・これは、ダメですね。回線引けません。」

回線工事の下見にきた施工業者の口からため息が漏れる。

 

マンションに個別回線を引き入れる場合、電線からMDF(主配電盤)と呼ばれるマンション内の集約設備にまず光回線を引き込み、そこから室内用の配線に切り替えて、共用部の配管を通して各階に到達、各階に置かれるIDF(中間配電盤)と呼ばれる中間集約設備を経由して、部屋まで回線を引っぱり込むというのが一般的な方式になる。

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賃貸物件なので壁にドリルで穴をあけるわけにもいかず、既存の設備や配管などを利用するというわけだ。

僕の物件にも主に電話線用途でMDFとIDFが存在していたため、自分の部屋がある階の共用部まではなんとか回線を引き込むことができるようである。

 

ここから部屋の中へ光回線を引き込むわけだが、配線の類は天井裏や壁の中を通っている。(廊下や天井にむき出しのまま走っていたら、家じゅうケーブルだらけになってしまうから当然である)

工事のために壁や天井を引っぺがすわけにもいかないので、通常の物件では既存の電話線を通している管を利用して、管の中に押し込む形で部屋まで光ケーブルを持ってくるらしい。

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※配管の中を通る電話線のイメージ

 

が、この物件は電話線を裸のまま天井裏に通しており、この配管がないのだという。

ガイドとなる管がない状態でいくら線を押し込んだところで、天井裏の変なところにひっかかっておしまいだ。(※既存の電話線が断線したらメンテナンスどうするつもりなんだ?)

 

もうこれは物理の問題なので、どんなにゴネたところで覆しようがないやつだ。 

「いや、今さらそんなこと言われても・・・」 という感じであるが、あまりにも無情な仕打ちである。

 

※ちなみに、低層階であればMDFやIDFを経由せず電線から直接ベランダに回線を引っ張って、エアコン用の排気ダクトの隙間から部屋の中に到達させるというパワープレイも可能であるが、これは「物件と電線の距離が十分に近い事」と「3階までの低層階であること」という条件があり、僕の物件では実施することはできなかった。

 

力ずく(物理)で光ケーブルを引いてみる

諦めの悪さと調査能力にはちょっとだけ自信のある僕は、いちど無理だと言われたくらいでは引き下がらない。

NTTの技術ページをひたすら読みふけり、「隙間配線インドア光ケーブル」という特殊な引き込み方式があることを見つけてきた。

これは、配管などがなく回線が引き込めないマンションにおいてドアのわずかな隙間からケーブルを引き込む特殊な技術で、近年実用化されたものらしい。

 

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※公式サイトより引用

 

なんだかんだとNTTは頑張ってるじゃないか。

よし!これを使ってもらおう!

 

施工事例がないからできません

NTTの電話窓口で言われた言葉に、ふたたび耳を疑った。

 

「このあたりの地区では施工事例がないので工事できません」

 

まぁそりゃ新技術だから施工事例がないくらいのことはあるだろうけどさ・・・。

でもNTTの公式サイトに掲載された正式な技術だよ?

公式サイトにも「お気軽にお問い合わせください!」って書いてあるじゃない?

それを「できない」なんてことある?

 

ここまできたら、こちらも意地である。

他の地区での施工事例はいくらでも検索すれば見つけられたので、施工事例がないのは怠慢なだけであると確信し、何度断られても交渉交渉また交渉。

「事例がないのは断る言い訳にはならない」

「できないのであれば事例のある地区から工事業者を回して」

「誰でもみんな最初は初めてなんだからウチを最初の事例にしてみなよ」

NTT東日本の電話オペレータのお姉さん、めんどくさい客でホントすまんかった。最後の方、声暗かったよね・・・。

 

というわけで、無事(?)にインターネットに繋がったのだった。

 

2020年12月24日のことである。

メリークリスマス!

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ちなみに、ここまでで交渉開始から2か月かかっている。

モバイルwifiで乗り切るのは正直かなりしんどかった。

 

ネット環境は、部屋の契約前にマジでしつこいくらいに確認したほうが良い。

 

引っ越し前に確認すべきポイント

・マンションに光回線がきているか

・MDFなどの集約装置から各部屋まで光回線がきているか

・来ていない場合、引き込み工事が可能であるか

・引き込みのためのMDF、IDF、配管が全て揃っているか

・プロバイダー選択は自由か?

auひかり、NURO光など他社回線の選択肢はあるか(後者ほど強い)

 

 

ちなみに余談であるが

・CATVインターネットはウンコ(下りはともかく上りが10Mbpsとかしか出ない)

VDSLはインターネット対応とは言わない(きょうび有線100Mbpsはありえない)

・インターネット無料物件は地雷原(P2P通信ができずゲーム対戦に非対応だったり、速度制限があったり、共用すぎて時間帯でクソ遅くなったりする)

 

ときどきインターネット完備を謡いながら、ふたを開けるとこういったマンション側が用意した専用回線だけしか使えず、結果不便な思いをするみたいなこともあるので、回線速度や回線仕様、契約会社なども事前確認しておくことをオススメする。

 

ネット環境構築のために、本当に時間と労力を持っていかれたので、引っ越しを検討している人の被害をこれ以上増やさないためにコレを記し、僕の苦労を供養することとする。

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